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第5回『今宮純クロストーク・ミーティング』開催レポート

皇帝M・シューマッハーの引退で、新時代の幕を開けた07年シーズン。果たして、その主役の座を奪うのは誰か。39年ぶりの優勝を果たし、さらなる躍進のかかるホンダをはじめとする、トヨタ、スーパーアグリら日本勢の活躍ぶりは。開催コースが富士スピードウエイに変わった日本GPはどうなる…。新時代の幕開けにふさわしい話題に満ちた07年シーズンの展望を、ブリヂストン浜島裕英MS・MCタイヤ開発本部長をスペシャル・ゲストに招き、ファンとともに熱く語り合いました───。
 
□ 第1部 今宮純スペシャルトーク
2007年シーズンを展望する
〜最新マシン情報から混戦必至のチャンピオン争いまで〜
 
【講演内容抜粋】
●今年は三世代が絡み合うシーズンになる。
今年のドライバー構成を見ると、三つの層があります。最年長のD・クルサードをはじめとする、R・バリチェロ、J・フィジケラらのベテラン勢。この中で誰が抜け出してくるか、ベテラン勢の中での競い合いも面白いと思います。僕自身は、レッドブルのクルサードが、今年はやってくれるのではないかと思っています。1999〜2000年のブリヂストンのワンメイクタイヤ時代、彼のベストリザルトが2000年のシーズンに出ているんですね。ワンメイクタイヤの使い方が非常にうまい。加えて、今年のレッドブル・チームにはチーフテクニカルオフィサーとしてエイドリアン・ニューウエイも加入しましたから、スーパーアグリの鈴木亜久里代表も、このチームの動向を一番気にしているほど注視しています。このベテラン勢を「旧世代」とすると、次はいきなり25〜26歳の1979年〜1981生まれの世代になる。だからニュージェネレーション、「新世代」という表現を僕はしていますが、この世代が今シーズンのチャンピオンシップ争いの軸になると思っています。具体的には、K・ライコネン、J・バトン、F・マッサ、F・アロンソ、この4人を軸にチャンピオンシップは争われると思います。その次にくるのが20〜22歳、1884〜86年生まれのネクストジェネレーション。H・コバライネン、R・クビサ、L・ハミルトン、N・ロズベルグらが入ってきますが、チーム側が若い彼らを起用したのは、今シーズンどれだけやるかというよりも、2年後、3年後を意識しての起用だと思いますからネクスト、「次世代」と僕は位置づけています。こうした三世代がぶつかり合う世代間競争のシーズンというのは、僕もこれまで見た経験がありません。だから、各チームの関係者も「今年は一体どんなシーズンになるのだろう?」と興味深く見守っているというが正直なところではないでしょうか。
 
●今シーズンはドライバーの力の戦いが鮮明に出る。
今シーズンの一番の見どころは、ドライバーとドライバーの力の戦い鮮明に出てくる点だと思います。というのも今季は、レギュレーションの変更でエンジンの最高回転数が1万9000回転までしか使えないという制約ができました。また、シーズンが始まったらエンジンのバージョンアップもできなくなった。この2点から考えられるのは、エンジンのパフォーマンスが、昨年よりもやや下がるのではないかという見方です。またワンメイクタイヤの影響で、ラップタイムは平均2秒前後は落ちる方向にいくだろうとも言われています。となると、どこでいったい速さの差をつけるのか。車体、エンジン、タイヤでなければ、残るのはドライバーの力だろうというのが、消去法からも考えられることなんですね。
 
●今年のタイヤ特性を活かしたブレーキングも見もの。
では、なぜ中国、ブラジルGPはルノー・アロンソ陣営にとって有利なのか。その理由は、今までのフェラーリ・シューマッハーのレースぶりを見れば分かる通り、彼のドライビングが、なぜか上海のコースとは噛み合っていない。確かに初年度は勝ちましたが、それでもスピンしたり、ぶつけてしまったり、あのコースに対する苦手意識というものが彼の中にあるのではないかと、僕は思っています。加えてブラジルのインテルラゴス・サーキット、実はあのコースも過去のレースを見ても、もう一つリズムが合っていない。それをルノー・アロンソ陣営も見抜いているのではないかという意味で、残りの5ゲーム、コースのキャラクターがそれぞれ違うという背景もあって、面白い状況になってきていると僕は思っています。
 
●「6A」と「5B」──チーム間格差の少ないシーズンに。
今年のF1のチーム構成は6つのAチーム……ルノー、フェラーリ、マクラーレン、メルセデス、BMW、ホンダ、トヨタの「6A」と、5つのBチーム……レッドブル、ウイリアムズ、トロロッソ、スパイカー、スーパーアグリの「5B」の戦いになると思いますが、昨年よりもチーム間格差は狭まり、それぞれのグループの中で、どこが一番上にくるか。また5Bの中でもどこが上にきて、6Aのどこをキャッチアップするか。そうしたグループ内外のチーム間競争がより激しくなると思っています。また6Aの中でも唯一、自チームも入れて3つのエンジンを走らせるフェラーリ。供給先がトロロッソ、スパイカーであれ、3つのエンジンを出すことは、いかにフェラーリといえども大変なことです。もし今年のフェラーリにネガティブな要素があるとすれば……。僕はそのここが、チームの足を引っ張ることにならなければいいがと、多少の危惧を抱いています。
 
●新・富士日本GPは霧の心配が…。
今年の日本GPは9月30日、新富士スピードウエイで行われます。鈴鹿時代の第1回日本GPは87年の11月10日、その後、10月の体育の日が開催日となってきましたから、日本GPが9月に開催されるのは初めてのことです。この日程で、まず皆さんが心配になるのは台風のシーズンということだと思います。しかし雨や風は、僕らが我慢すればどうにかなること。それよりも、もし霧が出てコースが見えなくなったらということのほうを、僕はもっと心配しています。もし霧で、コースサイドのポストとポストが見えなければ、レースはスタートできません。もし霧でヘリコプターが飛べなかったら、今のF1の開催規定ではレースが実施できません。その点を僕は一番懸念しています。
 
 

Special thanks

株式会社ブリヂストン様(Mr.Ando)
株式会社 山海堂様(Mr.Sakon)
F1グランプリ特集様(Miss.Hoshiba)
ホテルプレシデント青山 様(Mr.Nakamoto)

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