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第7回『今宮純クロストーク・ミーティング』開催レポート

フェラーリ・ライコネン、マクラーレン・ハミルトン、ルノー・アロンソの若手チャンプ争いやホンダ、トヨタの上位進出、若武者・中嶋一貴のフル参戦などが注目を集めた08年シーズン。しかし、何といっても日本のF1ファンを驚かせ、悲しませたのはスーパーアグリの突然のF1撤退劇だろう。メーカーチーム全盛時代に、財政難を抱えながらも輝き続けたプライベーターSAF1。その存在は今後も続くF1の歴史の中で、いつまでも語り継いでいかなければならない。F1ファン恒例の真夏のトークセッション『今宮純クロストーク・ミーティング』では、今シーズンも全戦現地取材敢行中の今宮純が、自分の目で、耳で、足でつかんだ情報をもとに08年シーズンの前・中盤戦を振り返ると同時に、お馴染みのBSタイヤ浜島裕英MS・MCタイヤ開発本部長をゲストに、SAF1衝撃の撤退劇から後半戦の見どころまで、熱く語り合いました。
□ 第一部:今宮純スペシャルトーク
〜2008年シーズン前・中盤戦報告〜
【講演内容抜粋】
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●チャンピオン争いが本格化するのは後半戦。
第11戦ハンガリーGP終了時点でL・ハミルトン62点、K・ライコネン57点と、その差は5点。 ちょうど1年前はトップのハミルトン80点、2番手のF・アロンソ73点、チャンピオンを獲得したライコネンは60点と20点差があった。 「20点差に比べれば5点差は…」というのが、今年のライコネンのポジション。 それを考えれば残り7ゲーム、チャンピオン争いが本格化するのは、まだまだこれからだと思います。
●SAF1・佐藤琢磨選手の戦い方がお手本になっている。
SAF1が撤退して7ゲーム終了。もし彼らのチームがあのまま残っていたら、3ポイントぐるいは獲れたのではないか。 そんな印象を持った中盤戦でした。例えばカナダGPではレッドブルのD・クルサードが13位グリッドから3位表彰台。 トロロッソのS・ベッテルが20位グリッドから8位入賞。雨に見舞われた英国GPでは、中嶋一貴選手が15番グリッとから8位まで順位を伸ばし、 ドイツGPではセーフティカー・タイミングを生かしたルノーのN・ピケJr.が17位グリッドから2位表彰台というレースがありました。 このように中盤戦の表彰台の一つのポジションが2強4人のドライバーではなく中間中小チームの中で、そのレースを上手くやり抜けたチーム、 ドライバーに用意されていたのではないか。実はこうしたセーフティーカー・タイミングや波乱のレースを上手くやり抜けてポイント獲得して見せたのは SAF1や佐藤琢磨選手のやってきた戦い方。中間中小チームでも、予選ではもうひとつのチームでも、レースの組み立て方、 戦い方によってはチャンスがあるんだということを彼らが示したことが、とてもいいお手本に、いい刺激にもなっていると強く感じさせられました。
●クールコンディションが続いた決勝レース。
決勝レースのスタート時、気温が30℃を超えたのは開幕戦とマレーシアGPだけ。トルコ GP17℃、モナコGP20℃、 シルバーストーンは雨になれば16℃もあり得ないことではないが、ドイツGPの21℃の決勝スタートは、寒いという表現までいかないにしても本当に涼しいF1でした。 こうしたクールコンディションで難しいのがタイヤの使い方。想定された下限の温度領域の中で戦わなければいけない状況に、 どのチームも難しさを感じているのではないでしょうか。このクールコンディション4戦のうち3戦を制したのがマクラーレンのL・ハミルトン。 想定温度の下限領域に入るようなコンディションの中でレースをうまく運んできた結果が、62点というポイントに繋がっていると思います。
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●中嶋一貴選手はF1の中で勉強し、上手くなって行けばいい。
中嶋一貴選手はここまで4回入賞、8点獲っていますから、お父さん(中嶋悟氏)の初年度に比べれば本当によくやっていると思います。 ただウイリアムズという車が、ちょっとロングコーナーでエアログリップ必要なコースでは力が足りない。 そういう意味で後半戦は苦しくなってくると思いますが、でも今23歳で一生懸命勉強中。 お父さんの悟氏がイギリスとマレーシアに来られていたので雑談したのですが、お父さんが34歳でF1に出て行ったことを考えれば、まだまだこれから。 「F1の中で勉強して、上手くなればいいんだよね」と言ったら、「そ、そ、そ、そっ」(笑)と言っていましたから、 今は何でも吸収するつもりで挑んでいけばいいと思います。
●佐藤琢磨選手の今後について。
佐藤琢磨選手が今シーズン、どこかのチームのシートを手にすることは、難しい状況と言わざるを得ないでしょう。 むしろ来シーズンに向けて、じっくりと交渉していって欲しい。トロロッソ、ホンダ、フォースインディア……いろいろと噂が上っていますが、 琢磨選手のいいところは、実戦の強さ、レースのしたたかさ、弾けるような勝負強さ、タレント性、そしてアジアン・テイストの魅力。 僕はそうした彼の魅力、キャラクターが評価され、何とか2009年にはという思いは今も変わってはいません。来シーズン、ぜひWelcome backを実現して欲しいですね。
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