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012日本GP展望── ミスの許されない鈴鹿を制するのはメンタルパワーの持ち主
2012.10.02

 台風17号襲来が1週前でほんとうによかった。あの直撃コースでは鈴鹿開催はとうてい無理、すぐに韓国GP連戦なので延期はできず、極めて異例な事態だが事実上中止に至ったかもしれない。今年開場50周年鈴鹿サーキットの運を感じた。

<12年日本GPドリーム・グリッド>

PP: J・バトン 2位 小林可夢偉
3位 F・アロンソ 4位 S・ベッテル
5位 L・ハミルトン 6位 K・ライコネン
7位 F・マッサ 8位 M・ウェバー
9位 S・ペレス 10位 P・マルドナード
11位 N・ロズベルグ 12位 N・ヒュルケンベルグ
13位 P・ディ・レスタ 14位 D・リカルド
15位 M・シューマッハ※ 16位 R・グロジャン
17位 B・セナ 18位 E・ヴェルニュ
19位 C・ピック 20位 T・グロック
21位 H・コバライネン 22位 V・ペトロフ
23位 P・デ・ラ・ロサ 24位 N・カーティケヤン
(※は10グリッド降格ペナルティー) (10月8日時点)

 あえてまとめた<ドリーム・グリッド>(10月8日時点)、運も実力もひっくるめた24台のラインアップだ。これは個人的な一つの観方。今シーズンの流れやシンガポールGPでの印象、また鈴鹿のコース特性やドライバー経験値、モティベーション、マシン現況などを加味しながら、ちょっと大胆にイメージした。

 西コースがシーズンイン前に新舗装され、鈴鹿は09年東コース再舗装済みの部分との“差異”がなくなった。昨年まではその分かれ目にあたるデグナー1コーナーがトリッキーになり、ミスが目立った。今年はこのエリアもさることながら、その先のスプーンが『キーコーナー』になるのではないか。最適なハンドリングにセットアップするための指標として重要であり、ヘアピンからの加速いかんによっては、ここでオーバーテイクも成立するだろう(もし観戦者になれるならばここに行ってみたい)。
 もう一つ挙げるなら『シケイン』。低速セクションのここを最後にうまくまとめあげないと、130Rまでベストできていても台無しだ。鈴鹿の難しさはS字をはじめいくつもあるが、このシケインは最後の関門的な意味を持つ。予選PPバトルを決する場となるばかりか、レースでもここしだいでストレートから1コーナーでのオーバーテイク・チャンスも生まれよう。

 マシン戦力構図ではマクラーレン、ザウバー、フェラーリ、レッドブル、ロータス、ウイリアムズ、メルセデス、フォースインディア、トロロッソ、マルシア、ケーターハム、HRT・・・。鈴鹿に新たなアップデートがどれほど実際投入されるかは、ふたを開けてみないと不明だ。だが終盤にきてここでおおもの切り札が登場することは考えにくい(重点GPとするザウバーを除いて)。 
 ドライバーの心・技・体、コンディショニングでは早くに日本入りしたバトン、アロンソらは準備万端。もちろん小林もそう。かつてA・セナはスズカをホームGPととらえ、10日前から密かに東京入りして備えた。逆に当時のA・プロストはアウェーの日本にナーバスになって入国がぎりぎり、「時差が解消できずにいつも苦しんでいた」と後に告白している。

 常に鈴鹿ではミスが許されず、集中心をコーナーすべてに絞り込んでいかないと1周が完結しない。モナコ・ストリートと同じ“メンタル・パワー”が求められる。コーナー入り口のブレーキングでは1コーナーのように、車速を保ちながら旋回姿勢のまま減速を行うテクニックが重要、非常に難易度が高い。こういうコーナーがいくつも続くのが鈴鹿であり、それ故スパ・フランコルシャンと並ぶ稀有の<ドライバーズ・サーキット>と言われているのである。

 今年ベルギーGPと同じフロントロー、PPバトン、2位小林は単なる妄想ではない──。それぞれ24人ドライバー達が“自己ベスト目標”に挑む鈴鹿、そこではこのスポーツならではのハプニングやサプライズも起こり得る。1年前は1000分の9秒の攻防によってPPにベッテル、敗れた2位バトンが3回ストップ作戦によって逆転勝利し、3列目5位からアロンソが表彰台3位に上がった。
グリッド順位のままレース結果を終えた者は結局トップ10には一人もいなかった。
「レーシング・ドラマ」とはそういうもの。──F1LOVERSの皆さん、鈴鹿でお会いしましょう!

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