Race Eye
お台場のスタジオからレッドブル・ルノーの豪速首位固めを取材
2012.11.13

 気付いた方もいらしたかと思うがインドGPは現地行せず、東京で間接取材を続けた。金曜はCS中継に“飛び入り?"の形で参加、久しぶりにお台場に行くと、社内に多くのF1地上波中継スタッフのOBたちもいて、「えっ、イマミヤさん今週は日本ですか!?」と驚かれた。スタジオ入りするとTV局恒例の弁当は「インドGPなのでカレーをご用意しました」とスタッフの配慮。ありがたく何種類も用意されたうちから“えびカレー"をいただいたが、こんな上品な甘口カレーは現地取材では見ることも食べることもない。しみじみ日本にはなんでもあってシアワセだなあと実感、それにウーロン茶もコーヒーもふんだんに用意されてもう至れり尽くせり。

 インドではシャワーを浴びるときは口を閉じ、目にかからないように注意してササッと流し、歯を磨くときはまず歯ブラシをミネラルウオーターで洗ってから、日本から持って行った石鹸で体を洗う。こう書くと自分が異常なほど“神経質な人間"と誤解されそうだが、普段はテキトーなタイプ。でもインドGPの現地環境だとそこまでしないととんでもないことになる(実際に昨年、F1スタッフに被害者が出たのだが、公にはなっていない…)。サーキット周辺だけかもしれないが、あの環境で仕事するには朝から晩までいちいちプレッシャーがかかる。もし部屋に蚊でも飛んでいたら絶対撃墜しないと、刺されてどんな熱病にかかるかも分からないし。

 チームスタッフもドライバーも年に一度そんな状況で過ごすGPウイーク。今年は急にペレスが“風邪(?)"をこじらせ、ザウバーはテスト契約のグティエレスを金曜FP1に起用、これは政治的に「ここで彼をいっぺん走らせて見てみよう」という狙いがミエミエだったが……。
このインドGPでは今季初めてベッテルがFP1から2、3までオールトップ、予選PP、決勝全周回トップランと“完全独走"。首位固めに成功の豪速レッドブル・ルノーは、フロントノーズ周辺モディファイによって空力面アップデートの<12年ファイナルバージョン>を極めたと思う。
もう一つ、ワークス待遇のルノー・エンジン側との密接なコラボも指摘できる。現在の2.4リッターV8は開発凍結状態とされていてもトラブル防止目的の仕様変更(チューニング)は合法だ。これを拡大解釈すれば、4チームに供給するルノーは他のチームでそれを試し、バック・トゥー・バックでレッドブル専用スペックを磨き上げることができる。フェラーリやメルセデスよりも供給チームが多い“メリット"をそこに活用できるわけだ。

 エンジンの合法的開発に、エキゾースト・レイアウトがある。目に見える出口後端の形状配置(最近話題のコアンダ効果うんぬん)ではなく、ふだん見えない車体内部のその取り回し、通称“エキ・パイ"の長さや曲率などのデザインワークによってパワー&トルク特性をファイン・チューニングする。毎GP前にそのベンチ・テストを行い、レッドブル専用エンジンは<ファイナルバージョン>に仕上げられていった。実際、インドGPの彼らは中間加速がより速く、ギア比設定に幅もできストレートの伸びも鋭く、あのような豪速パフォーマンスを発揮した。

 「2012年マシン・オブ・ザ・イヤー」はインドGPで決定したと言っても過言ではない。しかし、彼らは続く連戦アブダビGPでコンストラクターズをものにできず、ドライバーズでもアロンソにリードポイントを縮められてしまった。チャンピオンシップの奥深さを痛感させられた中東のオアシス、決戦アブダビGPについては次回に続きます。

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