Race Eye
2014真夏の2連戦、ドイツGP&ハンガリーGPでシーズンを“中締め!”
2014.08.06

 今シーズン、ヨーロッパラウンドでの2連戦は7月末の第10戦ドイツGPと第11戦ハンガリーGPだけというスケジュール。近い国を連戦でつながず序盤にマレーシアGP→バーレーンGP、終盤これから日本GP→初ロシアGPと、アメリカGP→ブラジルGPが組まれている。これにはチームばかりかメディアからも不満の声が。表だって言わない、いや契約上言えない(?)ドライバーたちも長距離移動の日々に辟易している。

 さあ夏休みだ──。ハンガロリンクを後にするチーム関係者たちは皆さん、ウキウキ気分に見えた。日曜夜にはブダペスト市内のクラブで「中締めパーティ」があり、関係者やメディアは“IDパス”を提示すればOK。でもこちらはプレスルームで未明まで残業、周りには誰も居なくなり皆さんパーティに駆けつけたのだろう。

 お疲れさまのヨーロッパ2連戦、このドイツ&ハンガリーGP“二か国限定獲得ポイント順位”はこうなった。

 1位:ロズベルグ 37点、2位:リカルド 33点、3位:ハミルトン 30点、4位:アロンソ 28点、5位:ボッタス 22点、6位:ベッテル 20点、7位:マッサ 10点、8位:ライコネン 8点、9位:ヒュルケンベルグ 6点、10位:バトン 5点。

 あらためて一覧するとトップ4は接戦模様、今年序盤とはうって変わりクロスゲームだ。ちなみに3社パワーユニットが1−2−3に揃ったのはハンガリーGPが初めて、ルノーもフェラーリも最強メルセデスに対抗してみせた。

 前半独走の首位ロズベルグは連続表彰台ならず1位と4位、それでも11点リードを堅守。一方不運な予選トラブルによって20位とピットスタートのハミルトンが連続3位に。ノーブレーキ・クラッシュの肉体ダメージ後、マシン炎上という精神的ショックを克服した彼の『レーシングスピリット』を最大級で讃える。

 ドライバーにとって突然ブレーキを失うアクシデントは、我々が階段を下りている時に突然、足元の階段が無くなった(!)ようなものだ。また何の前触れもなくマシンから炎が出る事態も恐ろしい。14年パワーユニットには超高温になるターボとか取扱い要注意のバッテリー類があり、高圧・直噴エンジンなのであの程度の“火災”でおさまってほんとうによかった。この時もブレーキが効かなくなり、燃えたまま彼はしばらくの間コクピットに取り残された(!)。

 ひと時代前であればハミルトンはホッケンハイム激突で重傷を負ったかもしれず、ハンガロリンク火災ではさらにひどい最悪事態に陥っただろうことは間違いない。

 メルセデスには今、N・ラウダさんがいらっしゃる。70年代に自ら大事故を体験した方なのだから、ハミルトンの深刻な連続事故をしっかり受け止めていたと思いたい。どちらもたんなる「パーツの信頼性低下うんぬん」などで済まされる事象ではない──。

 話題を変える。今年から取り入れられたドライバーへの<ペナルティーポイント>について。前半11戦終了時点の“獲得ランキング”はこうなっている。

1位:マルドナルド4点+警告1回、2位:ビアンキ4点、3位:マグヌッセン&スーティル&ボッタス&エリクソン2点、7位:ベルニュ1点。悪気はないのにマルドナルドは加害者として扱われるケースが多い。他に警告処分を受けた者が5人いて、ペナルティーを取られたのは22人中半数以上の合計12人になっている。

 では、ペナルティーポイントも警告処分もゼロなのは誰か。ベッテル、ハミルトン、アロンソ、グロジャン、バトン、ヒュルケンベルグ、ペレス、グティエレス、マッサ、小林の10人。しかしこの中には審議対象とされながら“レーシングアクシデント”とみなされ、処分を免れた者もいる。そこで前半11レースをフェアーに戦ったドライバーをここで個人的にノミネートしたい。

『14年前期フェアプレー大賞』は1位:アロンソ、2:位バトン、3位:小林──。開幕戦1コーナーでマッサに追突、彼から非難された小林だが“ノーブレーキ”のケータハムで回避は不可能。イギリスGPではスピンしたライコネンを緊急回避し、ハンガリーGPでも目前の接触事故を瞬間判断で避け多重アクシデントの危機を救った。FIAから表彰されていい“F1安全性”への貢献度だ。
──模範的な彼ら3人にペナルティーポイントとは逆の<フェアプレーポイント>を授けてもいいのではないか。最終戦2倍ポイント制などよりそのほうがこのスポーツの品格にふさわしいと思うのだが。
 

P.S. 8月9日(土曜)、真夏の第21回「今宮純クロストーク・ミーティング」でお会いしましょう。ゲストは現在激しい3位争いを展開中のフェラーリ・エンジニアの浜島裕英さんと、今回が初登場になるウイリアムズ・ボッタス担当のメカニック白幡勝広さんです。間に入っていろいろお二人から本音トーク「ここだけの話」をうかがいます。後半戦に臨む名門チームに期待しましょう!

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