Race Eye
2015シーズン序盤戦報告「春の総集編 その1」
2015.05.01

3月25日、第1戦ロレックス・オーストラリアGP(メルボルン)
96年から数えてアルバートパークで20回目、もうこれだけこの街に来たことになる。
F1取材前に国内のF3000タイヤ・テストが近くのフィリップアイランド(2輪モトGPでおなじみ)であり、約30年も昔に初めて来たところだ。有名な“ペンギンパレード”を見物したのを覚えている(その晩一匹も来ませんでしたが…)。

 ホテルは今年またまた高騰、サーキット近くのアパートを借りることに。一階にスーパーがあり便利は便利でもレストランもコンビニも無い地域(やむをえず自炊生活で過ごしました)。オーストラリアには一切食料品が持ちこめないので現地調達、市内にある中華街で“日本食品など”をごっそり爆買いしてそれで食いつなぐことに。

 「想定タイム・シミュレーション以上だ!」
メルセデス・スタッフも驚いたPPハミルトン1分26秒327。これは2年前のPPタイム1分27秒407をフルに1秒も短縮(!)。このスピード感をPU2年目で実感した(最近コースサイドに行かないB・Eさんは気付かないだろうが)。それにしてもルイスは完璧、初日こそロズベルグがトップにいたがセットアップを修正した土曜からは圧倒的で今年の彼はよく研究している。僕が開幕戦でいちばん驚いたのは彼のセットアップ力の進化だ。

ところでメルセデスのセーフティーカーとメディカルカーが今年変わった。AMG・GTS4Lエンジン510馬力、最高速310KMHの“SC”導入によって、今年SCペースランのタイムペースがさらに上がるだろう。その練習走行を見ていてメルセデスの「やる気」を感じ取った。マクラーレンにジャブジャブ金を払うのもいいですがHさんもこういうところに目をつけて、たとえば“ニューNSXハイブリッド・プロト”を提供するとかそういう戦略があってもいいのでは。F1を先導するSCはそれなりに注目されるから。

58周レースをハットトリック・ウイン、予想していたハミルトン完勝だ。レース最速ラップが昨年より1.533秒も速く、これが2年目PUパフォーマンスアップを明確に証明する──。

現地に朝日新聞や大手通信社の方がたくさん来られていた。マクラーレン・ホンダ23年ぶり復帰なので、昔F1を見ていた年代の社内デスクさんが出張取材を許可したからなのだろう(僕も頼まれて事前に朝日の取材にコメントしたが)。多くのメディアが駆けつけた開幕戦でバトン1台しかスタートできず、マクラーレン・ホンダはなんとか11位完走がやっとだった。
フリー走行から終始1周3〜4秒遅いペース、この実態を目の当たりにすれば楽観的なことはとても言えない。ホンダF1史上における最低のレース、その思いはのみこみながらスタッフ皆さんの努力だけは伝えた・・・。

 ここは戦う場だ。勉強するとか教えを乞う場ではなく、何か実験をする場でもない。それだけは新しいスタッフたちもこの1戦で分かってくれたはずだ。総責任者リーダー以外の顔が見えない“第4期ホンダ”の若いメンバーたち、悔しさを見せずたんたんと働く姿に「本田技研のF1」も変わったと心底思った。

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