Race Eye
メルセデスの『チーム至上主義』が浮き彫りになったスペインGP
2015.06.02

5月10日、第5戦ピレリ・スペインGP(バルセロナ)
91年にヘレスから移って今年が25回目、バルセロナでのスペインGPは“ヨーロッパラウンド開幕舞台”としてすっかり定着した。冬の合同テスト取材を合わせると世界中のF1サーキットで最も数多く来ていることになる。

好きなコースのひとつ。鈴鹿のようにあらゆるタイプのコーナーがありストレートも1047m以上、F1“車両性能試験場”としてうってつけだ。人工的なティルケ・デザインに比べるとコース幅は狭くエスケープエリアも少ないが、それがむしろ難易度を高めている。いまや“クラシックコース”の趣がある。

コースサイド・ウオークに行こうという気分になるスペインGP。マシンとドライバーの“リアルパフォーマンス”に興味がある方には“海外戦”のここはおススメのサーキット、どこのエリアからも“現有能力”が見てとれる。

客席の雰囲気もいい。マニアックに観戦するおっさんもいれば、家族連れではしゃぐキッズやにぎやかな女子ファンもいる。モナコGPのちょっと気どった“セレブ客層(?)”とはかなり違う。見晴らしのいいスタンド指定席も多く、丘の上から観戦できる自由席ゾーンを金・土曜に移動しながらあちこち見て回ることも可能。

またこのGPはウェットコンディションが少なく(土砂降りになったのは過去1回)、野外で観戦するお客さんにはありがたい。

ロズベルグが“6度目PPウイン”を2回ストップで決め今季1勝目。勝因はスタートダッシュ、クリーンエアのなかリードを広げ、15周目からミディアムで第2スティント“30周最長ラン”。教科書どおりの勝ち方だった。

出遅れてベッテルの背後3位にまわったハミルトンは3回ストップ作戦に賭け逆転を狙ったが、「無理をするな(レースするな)」という意味のチーム無線に結局従った。終盤たしかに20秒ギャップを取り戻すのは難しい情況で、自重したのは判断として正しい。けれども彼には“見せ場”を演じて欲しかった。

メルセデス采配には『チーム至上主義』と言おうか、ドライバーを“社員”のように管理するところが見え隠れする。個人的にはそれが最近ちょっと気になる。こうした傾向が次のモナコGPでの“首位ハミルトン・ピットストップ下落事件”にも間接的に関係したのではないか・・・。

メルセデス勢二人の1−2はスペインGPで遂に14回目。旧マクラーレン・ホンダ時代のセナ&プロストに並んだ。ちなみに最多1−2レコードは24回、フェラーリ全盛期のシューマッハ&バリチェロが6シーズンで記している。

今ハミルトン&ロズベルグはあのセナ&プロストに匹敵する「最強コンビ」、記録上はそうなのだが彼らには何かが足りない。それは好敵手同士がライバル心をむき出しに争う緊迫感だ──。

Top
Index